タイ2024・その5 ~ピッサヌロークの洞窟は蟲だらけ~

みなさんチョメっす!

ガラパゴスのMAD☆DOG・フタキでぇ~~~ッス!!!

 

行ってきてから1年以上経っても書いてるタイ旅行記ブログ(2024年7月版)。

前回のブログではナコーンサワンでワニや水鳥を見て、夜はホテルの庭を散策しました。

(これまでの流れが気になる人は是非1回目から読んでみてください!!!)

 

ブンボーラペットでシャムワニの赤ちゃんとメスを見ることができた我々ですが、デカいオスはまだ発見しておりません。

せっかくここまで来たんだから早起きして朝食前にオスを探しに行こー!

と、珍しく早朝に叩き起こされ、ふたたび湖に向かいます。

すると、、、

いましたいました!

水面から出ている目と鼻の距離から推測される大きさは全長約4mくらいかな?

みんなでパシャパシャと撮影していたら湖畔の散歩道を別の小ぶりなワニが走って横断したり(一瞬の出来事で撮影はできませんでしたが…)、もうシャムワニ天国です!!!

こうやって大切にされて野生個体数が増えてくれるとイイなぁ~。

 

そうこうしているうちに、すっかり陽が昇ったのでホテルに戻って素敵な朝ごはん、、、

に見えるでしょ、コレ!

タイ料理では有名なヤムウンセンというピリ辛な海鮮春雨サラダなんですけれど、ここのはピリ辛を通り越したガチな辛さでした…。

川添さんとアヤカさんは「朝からコレはキツい!」とか言ってましたが、やっぱりタイに来たからにはこういう激辛も食べときたいですよね~!!!

結局アヤカさんは唐辛子を上手に除けて食べ、川添さんは半分でギブアップしたので残りはワタシが美味しくいただきました♪

両生爬虫類を観察できるだけじゃなく、ウマい料理も楽しめちゃうからタイはやっぱり最高です!

 

さて、そうして胃腸がホカホカになった我々は車でさらに北上してピッサヌローク南部の町に到着。

まずはその日の夜に散策するエリアを昼間のうちに下見しておこうということで現場まで来たら、そこはなんと寺院でした。

おそらくガイドのビア氏が夜間立ち入りの許可もその時に取ってくれていたんだと思います。

すごく良いロケーションだったんですけれど、場所を特定されないためにあえて写真は載せません。

 

ちなみに後で調べて知ったことなんですけれど、タイの寺院では男女ともにあんまり肌を露出しない方がマナー的に良いみたいです。

肩やひざ下を出したりサンダルとかはNG、、、って、アヤカさんはめっちゃ普通にショートパンツで下見に参加しておりました…笑

でも、別にビアには何も言われなかったし僧侶の皆様も超フレンドリーにご挨拶してくれました。

その辺の寛容さもタイの良いところですよね~!!!

 

下見も済んだのでホテルにチェックイン、、、

うわー! めちゃ絶景だと思いません!?

なんか悟空が戦ってそうな雰囲気ですよね!

(photo:川添さん)

上の写真は川添さんの部屋のバルコニーから我々夫婦の部屋のバルコニーを撮影したものなんですけれど、スケール感がハンパないでしょ!!!

そんな素敵なホテルの庭では、、、

さっそく川添さんが何やらトカゲを捕まえて撮影しています…。

チョロチョロと植え込み付近を走り回っていたのはイロカエカロテス(Calotes versicolor)でした。

 

チェックイン後にひと休みしたら早めの夕飯を食べてからナイトハーピングに出発です。

でもその前に、近くの山から何万羽ものコウモリが洞窟から飛び立つ瞬間を見学。

遠くの空にホコリみたいな細かさのコウモリが列を成して飛んでいる様子を肉眼では見ることができたんですけれど、薄暗くて撮影は難しかったッス…。

 

日も暮れてきたので、昼間に下見をした寺院に戻って散策の準備をしていると野良犬がウロウロと寄って来ます。

最近の日本じゃ野良犬を見る機会はほとんどなくなりましたが、タイは都会も田舎も野良犬だらけです。

お世辞にも清潔とは言えないし、まだタイには狂犬病もあるというから距離感には気をつけましょう、、、

ってオイっ!!!

アヤカさんは野良犬とめっちゃフレンズになってます…笑

本人はニコニコなドヤ顔してますけど、ワタシも妻も川添さんも「うわぁ~、ようやるなぁ…」と思いながら見てました!

 

さて、気を取り直して本格的なハーピング開始です。

最初に洞窟の壁に現れたのは、、、

コガネヤモリ(Gekko flavimaritus)という珍種。

タイでもピッサヌローク南部の限られた地域にしか生息せず、雌雄差なのかコンディションなのかは分かりませんが、頭部から胴部にかけて黄金色の発色が出るものもいるようです。

 

爬虫類だけじゃなくタランチュラ(アースタイガー)も時折現れます。

ちょっと種までは同定できなかったんですけれど、、、

巣穴の中で青く光る個体や、、、

全体的に紫色っぽいものが地表を徘徊していたり。

一瞬「こりゃ売ったら高そうだな…」と思いましたが、我々は一切の動植物を持ち帰らない(というかタイの野生動物は原則的に持ち出し禁止)スタンスですから見るだけで大満足です。

 

そして、後にも先にもタイではこの寺院でしか見ることができなかった巨大ヤスデも。

コレ、ひと昔前によく流通していたタンザニアオオヤスデよりもふた回りくらいデカいです!

全長で言ったら30㎝越えてたんじゃないかな?

なぜかこの寺院の敷地内にだけ、あちらこちらでゾロゾロと歩いているんですよ~!!!

もしかすると超レア種なのかも知れないし、我々が知らないだけでポピュラー種なのかも知れません。

ともかくウチの夫婦間ではコレを「聖なるヤスデ」と呼んでいます。

 

ほかにもゴキブリマニアにはお馴染みのサツマゴキブリなんかも。

帰国してから某ゴキブリマニアに聞いた話では「タイ産のサツマはレア」とのことでしたが、ワタシには普通のと何が違うのか分かりません。

なのでその時は「まぁいちおうサツマゴキブリもいたよ、ってことで撮影しておくか…」なんて言ってたら、妻が「なんかそこに変なカエルいない?」と、、、

(photo:アヤカさん)

うぉぉぉおおおおーーーーーっ!!!

なんとすぐ横にパグガエル(Glyphoglossus molossus)の若個体がいるじゃないですか~~~ッ!!!

タイと言えばパグガエル。パグガエルと言えばタイでしょ!

ずっと見たい見たいと思っていたカエルが突然現れてワタシは大興奮♪

(photo:アヤカさん)

近くにいたヌマガエルの若個体と並べて写真を撮ったりして大騒ぎしていると、ガイドのビア氏と運転手氏が「え? なになに?」と寄ってきました。

ワタシは大興奮で「このカエルだよ!」とパグガエルを指差したら、二人は「あぁ~、なんだそれか…」みたいに一瞥してから去っていきます。。。

現地では食用にされているほどポピュラーなカエルと言いますけど、ホントにそんな感じ!?

こっちにしてみりゃ野生のパグガエルなんて初めてだし、しかもこんな指先サイズの若個体だなんてビックリなんだけどなぁ~笑

なんにせよ出会えて本当に良かった!

 

そしてまだまだ珍種が現れます!!!

再生尾なのが残念ですが、ばっちりと金色の帯模様が入ったキンオビホソユビヤモリ(Cyrtodactylus auribalteatus)です!

最初に現れたコガネヤモリ同様、こちらもピッサヌローク南部にしか生息しておりません。

動きは素早く警戒心も強いので非常に撮影しづらいヤモリでした。

 

このエリアに固有の種がいくつもいるということは、おそらく地形だったり土壌だったり、なんかしらの地理的な要因で他とは隔絶された地域なのかもしれません。

そんなことを推測しながら周囲を観察するのも超おもしろい!!!

 

もちろん固有種だけじゃなくタイではポピュラーな種も現れます。

(photo:アヤカさん)

こちらはシモフリオオカミヘビ(Lycodon capucinus)の幼体です。

ショップでよく売られているコーンスネークやキングスネークのベビーくらいのサイズ感だったのでワタシが上から手を被せて動きを止めようとしたら、いっちょ前に振り返り噛みしてきました…。

その時、噛まれまいとして瞬時に手を引いたんですけれど、ちょうどポケットに入れていたスマホに手の甲があたってスッゲー痛かったんですよねぇ~。

実際は軽くヘビにも噛まれてるし(無毒です)手の甲もバチーンとぶつけたのでダブルパンチなんですけれど、日本で一番嚙まれたくない爬虫類屋を自負するワタシとしては「ガッツリ噛まれなくて良かった!」という安心の方が大事です!!!

 

そんな風に慌てるワタシの様子を内心ニヤニヤしながら見ていた川添さんですが、この先に彼にとって地獄の風景が…。

 

※※※ 閲覧注意! この下の動画にはゴキブリがいっぱい写ります!!! ※※※

すこし進んだ一帯が、なんだかレッドローチの飼育ケースみたいな匂いがするなぁ…と思っていたら、大量のワモンゴキブリ(?)がウロウロ!

川添さん、じつはゴキブリがめっちゃ苦手なので「うぅ~、うぇ~~~」とか言いながらつま先歩きです。

ワタシはゴキブリが平気(っていうか、むしろ好き)なのでガシガシ進んで行きましたが、途中で川添さんは「ボク、ちょっと無理かも…」と言ってリタイア。

結局妻とアヤカさんもゴキエリアのなかには入らず、ワタシだけが奥へと入って行きました。

 

すると、その先の狭い洞窟の中にミドルサイズのヘビがいるじゃないですか!

でもすっごい奥の方にいるので種類までは分かりません…。

なので「おーい! ヘビ! ヘビ!!!」とガイドのビア氏を呼ぶと、「どこ? どこ?」ってダッシュで近づいてきたかと思ったら、そのままスライディングするようにほふく前進で洞窟の中へ入って行くんですよ!!!

 

洞窟の中で何度かヘビに逃げられたり悪戦苦闘しながらも、結局ビアはばっちりゲットして引っ張り出しました! すごい!!!

見て見て! この立派にギラギラと光るサンビームヘビ(Xenopeltis unicolor)を!!!!!!

ゴキエリアに怖気づいていた皆を「サンビームいたよ!!!」と大声で呼ぶと、川添さんはやっぱりつま先立ちで、でも小走りな感じで近寄ってきてくれました。

さすがはプロ根性! やる時はやる男ですよ…。

 

ちなみにサンビームヘビ捕獲時のくっさい汁はビアが全部浴びてくれたので、我々は落ち着いてゴキエリアの外へ移動し、改めてじっくり観察&撮影できました!笑

 

さっき見たキンオビホソユビヤモリが再生尾だったから、完全尾の個体も探そう!

と洞窟の壁の上の方ばかり見ながら歩いていたら足元の藪に細身のヘビが…。

(photo:アヤカさん)

一瞬、アマガサヘビ?(危険な有毒種)かと思いましたが、ビアが「それはラオスオオカミヘビ(Lycodon laoensis)」だよ! と教えてくれたので、落ち着いて撮影します。

こうして毒蛇にそっくりな無毒のヘビもいるから、フィールドでは瞬時に種を同定できるかどうかって大事だよなぁ~。

 

今度は上だけじゃなく下の方も気にしながら歩いていると、、、

全長20㎝くらいの特大ムカデがじっと佇んでいます!!!

もちろんコレは有毒なのでソロリソロリと近づいて撮影していたら、運転手氏が「それ、生きてる?」と言うので近くの棒を拾ってツンツンしてみたら、なんと死んでる!

なんじゃこの立派な大往生は…。

ビビらせやがって………。

 

夜の林ではセミが羽化している瞬間にもよく出くわします。

(photo: アヤカさん)

セミの種類までは分からないけれど、小ぶりでカワイイ♪

 

枝葉の上を観察していると、、、

昼間はあれだけ素早くちょこまかと走り回っていたカロテスも、就寝中だとこちらの存在に気づいてもジッとして動きません。

ちなみにこちらは目の上にちょこんと小さなツノ状突起があるエンマカロテス(Calotes emma)です。

 

夜も更けてきたからそろそろ引き返そうかというタイミングで、、、

またしてもビアはやってくれました!!!

バッチリ完全尾のキンオビホソユビヤモリ(Cyrtodactylus auribalteatus)です!!!

これ、実物を見ると本当に金色に光ってるんですよ!

エレガントかつ野性味溢れるオーラもあって、めちゃくちゃカッコいい!!!!!!

 

というわけで、この地域で見たかったヤモリにしっかり出会うことができて大満足♪

帰り道にも「何かいないかな~?」と散策していたら、、、

まったく水場でもなく、むしろサラッと乾いた場所にマーフィーミズヘビ(Hypsiscopus murphyi)の幼体が!

かつてはオリーブミズヘビとかハイイロミズヘビとされていた種ですが、最近は分類が変わったみたいです。

つまりコレは我々が良く知っているオリーブミズヘビとして流通していたヘビ。

ほぇ~、夜はこうして水から出て陸を徘徊してるんだな~。

きっと小さなカエル(さっきのパグガエルとか)を捕食してるんだろうな~。

 

なんて感じで、野生下の姿を見るといろいろと勉強になりますね!!!

 

 

ハイ。

ひとまず今回はここでおしまい。

次回のブログはいよいよ2024年タイ旅行の最終日です!!!